私がCL(建設的な生き方)と出合って12年になります。

今年もCLのインストラクター養成講座を開催させてもらいましたが、CLと

出合って私の生き方はずいぶん変わった気がします。

CLと出合う前の私は、会社を経営していたこともあって、利益や会社の

成長という「結果」だけで自分を評価していて、会社が赤字になる恐怖に

突き動かされていた気がします。

しかしCLを勉強してきたおかげで、今では、自分にはコントロールの出来ない

「結果」よりも、自分でコントロールの出来る「行動」に意識が向くようになり

以前と比べてずいぶんと充実した人生を生きられるようになった気がするので

す。

昨年からオリジンに研修に来ている青年(27歳)がCLの研修を受講しました

ので、彼のご両親への手紙を紹介します。

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お父さん、お母さん、僕は5月4日から8日までCLの研修を受けてきました。

CLとは、「建設的な生き方」の略で、精神科医の森田正馬先生が開発した

森田療法と、事業家でもあった吉本伊信先生が開発した内観法を、アメリカの

文化人類学者であるレイノルズ博士が融合させて作った教育法のことです。

僕は、昨年の司法試験に落ちてから動悸が頻繁に起きるようになって精神

安定剤を飲むようになっていましたが、お母さんが杉井さんを紹介してくれた

おかげで、今では薬なしの生活をしています。これはオリジンでCLの課題を

させてもらったおかげです。そこで自分にもCLを身につけたいと思ってCLを

学ぶことにしました。


CL森田には、

(1)事実をあるがままに受け入れる。

(2)目的を持つ。

(3)どんな感情が湧いてきても必要な行動をする

 

という三つのポイントがあります。

僕がオリジンで働かせてもらうようになって2日目の朝、動悸が起きて相談すると

杉井さんは「不安という感情は必要なものだよ。不安を強く感じるというのは、

それだけ自分の人生を良くしたいと思っているからなんだ」と教えてくれ、「そんな

時は、周りを細かく観察すること。仕事で一生懸命に身体を動かすこと」とアドバ

イスしてくれました。これは不安という感情(事実)を無理になくそうとするのでは

なく、ありのままに受け入れて必要な行動をするというCL森田の教えだったん

だ。

 

これからも時々、不安で動悸がしたり、夜、目が覚めたりするかもしれません。

でも、不安な感情はそのままでいいと学んだので、薬に頼って感情を静めようと

するのではなく、不安なまま必要な行動をしていこうと思っています。

でも、いろいろな感情が湧いたまま必要な行動をとるというのは、やってみると

なかなか大変なことです。CLでは、そうした行動をとり易くするためのコツを教え

てくれるんだ。杉井さんがアドバイスしてくれた「周りを細かく観察すること。仕事

で、一生懸命に身体を動かすこと」というのも、CLの感情に対するヒントの活用

だったんだ。

 

オリジンに来る前の僕は、就職に役立ちそうな資格の勉強をしたり、自己啓発本

を読みあさったりしてばかりで、筋肉を使うことがなく、不安がまぎれない状態

でした。オリジンに来ても不安になる事はあったけれど、体を使って働いている

うちに不安が消える事がよくありましたし、1日中、筋肉を使って働けば、夜も

起きることなくグッスリ眠れました。将来への不安を感じながらも体を動かして

働き、お金を頂いて自活していくうちに僕の不安は弱くなっていったのです。


もう一つの内観というのは、

(1)して頂いた事実を認める

(2)して差し上げた事実を認める

(3)御迷惑をお掛けした事実を認める

 

という三つポイントから出来ています。

悩んでいる人は、自分の都合でばかりものを考え、自分がしてもらった

事や相手に迷惑をかけた事に気が付いていないことが多いそうです。

僕もお世話になっているのに、自分ばかり損をしている気になっていることが

よくあります。

 

例を挙げると、僕は働き始めて3ヶ月間、毎日、先輩に車を運転して

もらっていました。それなのに「僕はペーパー・ドライバーだし、疲れているから」

と先輩の負担を無視して助手席でウトウトしてしまう事があったんだ。

でも考えてみると先輩も仕事をしている訳だし、僕が失敗したミスの処理まで

してくれている。そこで「これからは自分が運転して先輩が疲れている時は

寝てもらおう」と考えて自動車学校で講習を受け、朝は先輩、帰りが僕

というように運転を当番制にさせてもらったんだ。

3ヶ月間、運転し続けてもらった先輩にお返しができていると思うと、

とても嬉しかったです。

ある朝、先輩に「昨日は夜遅かったからちょっと寝たい。運転頼むよ」と

言われた時は車を運転できるようになって本当に良かったと思いました。

それまで笑顔が少なく、声も暗いと言われていたのがこの頃から少しずつ

変わっていった気がします。

 

オリジンでは、1日1枚のありがとうのハガキに始まり、社員同士のサンクスカード

他の人のお手伝いや先輩をアパートに招待して鍋でもしたらという課題など内観

の日々です。

僕はとても神経症的傾向が強くて、これからの人生でもたくさん悩みを抱えると

思います。でもCLは誰にでも役に立つので、CLを実践して、神経症の経験を

基に他の誰かのためになれたらいいなと思っています。これまで育ててくれて

本当にありがとう!
                  <2006年年6月1日 こおろぎ№160より>

後期トレーニングが終了してから1年後に、CLインストラクターの資格をとること

ができました。

資料提出前に、たくさんのアドバイスをいただいたおかげです。時間を割いて、

しかも無償で、何度も何度もアドバイスをありがとうございました。

資格を取る目的であった職場の同僚や後輩たちに、CLを生かしてアドバイスを

していきたいと思います。

CLトレーニングを受講した後で、自分がここまで変わることができたことは、

正直、自分自身が驚いています。貴重な経験をさせていただき、

ありがとうございました。

後期トレーニングから5年が経ちましたが、インストラクターの申請レポートが、

たった今、完成しました。

途中、投げ出したいと思ったときもありましたが、それでCLを学んだことと

違うと思いました。

また、こおろぎの言葉やいただくハガキからどれだけ力をいただいたか

分かりません。

月1回の建設的な生き方を学ぶ会や、そこに参加している皆さんからの

刺激があったからこそ、「ここでやめては、もったいない」と続けました。

続けてきて思うことは、私にとって結果はあまり重要ではなく、書類を

作りきったそのことがとても嬉しいのです。私のような者でも、

完成させることができるのですね。

CLの書類の完成という経験が、この先の私の人生にも

大きく役に立ちそうです。

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D.K.レイノルズ博士が創案した実際的に生きる教育法CL(建設的な生き方)
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